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* category: ヘッドホンアンプ

金田式CDラインアンプもどきオールディスクリート・HPA 

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ブログテーマであるJAZZ&AUDIOのAUDIOに関する記事になる.
ICを一切使わない,つまりオール・ディスクリート・ヘッドホンアンプを製作した.金田式と呼ばれるもので2作目にあたる.これもJAZZボーカルの再現力を追及したい,という意志からだ.
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アンプ回路は2006年,雑誌「無線と実験」に金田氏が寄稿した製作記事「CDラインアンプ(No.189 N-Type)」とほぼコンパティブルな内容になる.その音質は好評を博しているようで,”金田+ヘッドホンアンプ”でネットを検索してみると数多くの製作例にヒットする.中上級向けのディスクリートHPAとしては定番かもしれない.

参考までCDラインアンプはキットとしても市販されている(但し終段トランジスタは別売).シャーシ加工が面倒あるいは自作は初めてといった方はこちらを利用するといった手もあるだろう.

回路の概要はというと,初段・ドライバー段ともJFETによる差動増幅回路,出力段はNPNトランジスタをチャンネルあたり二つ使った準コンプリメンタリになる.
ちなみにアンプ製作にあたり,抵抗やトランジスタ,JFETといったディスクリート素子は個人的な経験や音の好みからチョイスしているのでオリジナルに忠実ではない,あくまで主観の塊であることを前提に読んで欲しい.

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ケースは加工性重視.奥行き200cm,幅150cmのタカチ製YMシリーズ.千円ちょっとで買える廉価品.
全体のレイアウトは下の画像のとおり,右上から時計回りに電源トランス,平滑回路,定電圧回路,アンプ回路と配置した.

回路の電源電圧は±15V.トランスは18V出力2回路入りを使う.
整流回路のフィルターは,いつもLCで組むが,今回はRCで構成とした.画像の酸化皮膜抵抗と茶色のコンデンサがローパスフィルターだ.それに続く平滑用のコンデンサは重厚な音質に寄与する黒MUSEをチョイス.
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定電圧回路は,以前ブログにも書いたトランジスタ構成.ダーリントン接続により大電流供給を実現し,電圧はトランジスタ一石で制御する.回路的には定電流負荷に抵抗ではなくFETを使ったのが少しばかりのこだわり.製作は簡単だしこれからの定番になりそうだ.
ちなみに,電流供給量は所詮ヘッドホンアンプレベルなので,パワートランジスタの発熱はほんのり暖かい程度である.ヒートシンクは画像にあるような簡易的なもので十分だろう.

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アンプ基板は頒布基板なので非常に美しい仕上がり.マニュアルから逸脱したオリジナルな点といえば.
・差動増幅回路のFETはドレイン・ソースが逆でも問題なく使えるので,向いあわせに配置しエポキシ系接着剤で熱結合
・初段のバイアス電流源はツエナーダイオードとトランジスタ一石.バイアス電流を決定するトランジスタの負荷抵抗は可変抵抗に変更し(青色の四角いヤツ),アイドル電流の調整を可能にした
・ツエナーダイオードはノイズ対策として基板裏にコンデンサを並列に抱かせている

ちなみに黒い円筒型ヒートシンクに包まれているのが,メタキャンのトランジスタだ.電源電圧±15Vレベルになるとトランジスタは指先が触れないほど熱くなるのでヒートシンクは必須だ.
ヒートシンクには色々な形状があるが,円筒型ヒートシンクの装着はコツが入る.縦に入るスリットをドライバーの先でこじ開けないとメタキャントランジスタはうまく入らないので注意が必要だ.不器用な方は最悪,トランジスタの足を折る可能性がある.なので基板実装前にヒートシンク装着を済ませることをオススメしたい.
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製作中に遭遇したトラブルといえば,定電圧回路(負側)の電圧制御がうまく働かなかったこと.
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原因として思い当たるフシがあった.単体完成後,動作確認の際,負側の入力電圧+-を逆に入力してしまったのである.負荷が無い状態では一見正常に動作しているように見えるが,アンプ基板(負荷)を繋げると-15Vが-10Vにドロップし出力電圧調整も不能になる.テスタで定電圧制御用トランジスタ2SA1015のコレクター・ベース間の抵抗値を測ったところ,案の上トランジスタは壊れていた(=ショート状態).トランジスタを交換し正常動作を確認.

最後に製作上のポイントでいえば,ここ最近のお気に入りのヘッドホンジャック.プロオーディオ用のXLRやPHONEプラグ・ジャックで有名なスイスのメーカー・ノイトリック社製だ.下の画像は廉価版のプラスチック製で500円でお釣りがくる.秋葉原ではオヤイデが最安値.
プラグ抜け防止のロック付.ジャックのラインナップとしては,ダイキャスト製もある.
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さて,一晩エージングした後のサウンドチェックの感想.条件として,ドリフトは1mV以下に調整し.アイドル電流は約20mA.
最初にノイズ.ボリュームを最大にしてもハム音や変なノイズはない.通常ボリューム範囲なら静寂そのものだ.

次は印象.聴きなれたJAZZボーカルを聞いてみる.圧巻したのは音の立上りの鋭さ.パーカッションが本当に突き抜けるように再現されゾッとするほど.帯域レンジはまったく不満はない,特に低音域の重く伸びのある再生力と個々の分解力の高さは,前作金田式もどきと共通するところだが実力はこちらの方に軍配が上がる.一言でいえば,大きめの会場でコンサートライブを聴いている錯覚に陥ったような臨場感を感じる.

少し大袈裟かもしれないが,これまで数十台は超えるHPAを製作した経験をもつなかアンプ製作はこれで打ち止めでいいかと本気で思ってしまったほど.
基板頒布をしてくれた藤原さん,メタキャントランジスタの音質評価結果を公開してくれている数々の方々に心より感謝申し上げたい.

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この記事に対するコメント

LA4です。
>>アンプ製作はこれで打ち止めでいいかと本気で
一度LH0032のヘッドフォンアンプを作ってみる事をお勧めします。
私も金田式No204(モドキ)で、これで、打ち止めと思っていたのですが、作ってみて自分の中では金田式No204(モドキ)以上の表現力だと思います。
OPアンプ1発で、これ以上の音はないのでは無いかと思わせるのに十分な音です。(個人的な思い込み120%ですが(^_^;))

URL | LA4 #OHKrW9ow 【2009/12/06 20:14】 *編集*

LA4さん
たまにブログ訪問させていただいていますが,LH0032のHPAは精力的に進んでいるようですね.
LH0032はオペアンプというより,ディスクリートの中間のような石だと思っています.金田式の原典という噂もあるようだし.
実は秋葉原のとあるショップで現物を見て,購入しようかどうか揺らいだのは事実です(笑).ただ,自分としては,あれこれパーツを組み合わせたり,作るという過程も楽しみのひとつということで,結局諦めた次第です.機会があれば音比べしたいですね!

URL | Analogdevice #- 【2009/12/07 22:36】 *編集*

>>あれこれパーツを組み合わせたり
そうですね、まさに、パーツ1つの音の変化に一喜一憂するのも自作の楽しみの1つですね。
LH0032はデータシートの通り作れば、とりあえず音は出ると思いますので、そういった意味では面白みは無いかもしれません。
只、すごく部品に敏感な石の様で、つまらない部品を選択すると、音が悪い石と判断しかねないくらいつまらない音ですが、はまる部品だと、至福のひと時をすごせるように感じます。
Analogdeviceさんの様にメーカー製品と間違えるくらい丁寧に作る事ができれば20万円のヘッドフォンアンプですと言われても納得できる音の様な気がします。(^_^;)
>>機会があれば音比べしたいですね
音だけは、文章からは伝えられないですものね。
それでは・・・

URL | LA4 #OHKrW9ow 【2009/12/08 18:13】 *編集*

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