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* category: DAC

中華DAC 更生する 




P1020686.jpg

前回,設計の手抜きを指摘した「中華DAC 恐るべし」の対処方法になる.

画像は対処前に備忘録として各実装パーツの電位を測ったもの.
さて,このDAC,パッと見ておわかりのとおり,アナログアウトのLPF部の不良(手抜き)を除いては意外にまともな設計だ.コンパクトな基板ながら,ちゃんとデジタルレシーバーCS8416(水晶発振器の下に実装),DAC CS4344用に各々レギュレーターLM317を介して電源を供給している.
ただ,DAC CS4344まわりのケミコンは,すべて47uF.データシートに書かれている内容からして理解に苦しむところ.見た目は良いが中身が伴わない.それを見抜いて遊べるのが中華DACなのだ.

Picasa_P1020699.jpg

ということで,もともと付いていたDCカット用のケミコン47uFと0.1uFのフィルムCを取り外し,そこにアナログフィルター基板を追加した.

データーシートに記載されるフィルターと少し違うのは,ハイパスの3.3uFはケミコンを使わず薄膜高分子積層キャパシタ10uFにした.可能な限り信号経路からケミコンは排除したかったし,ローカットの遮断周波数は1.9Hzと引き下がる利点がある.
一方ローパスは470Ω+2700pFと当初設計値のまま.信号経路の抵抗はオーディオ用をおごった.

ほか,DAC周りのケミコンも交換.Pin#5の「Quiescent Voltage」は10uFの積セラ,Pin#6の「Positive Voltage Reference (Output) 」は33uFのOSコン,Pin#9の「Analog Power (Input) 」には100uFのOSコンにしている.

今回の収穫はアナログフィルターの音質影響.DACはハイレゾ対応やダイナミックレンジなどDACチップ単体の特性に注目しやすいが,音質面ではアナログ回路(フィルター)の影響が極めて大きいことが改めて再認識できたこと.
実装スペースの都合上,出力レベルでは不利な簡易的なRCによるパッシブ構成となったが,こんなモノでも,元の状態と比べ驚くほど音質の変化がある.
ザラツキや歪感が解消され,クリアな音楽を楽しめる.まさにアクセサリーからオーディオ機器へ更生した.



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